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読書好きなアナタへ、日本の書籍が海外から読める電子書籍代行サービス

2013.09.16.(Mon)Kei Hirata By.Kei Hirata
カテゴリー:マメ知識 雑談

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こんにちは、平田です。突然ですがみなさん読書は好きですか?日本の大型本屋さんなんかに入ると非常に多くの本が並んでいて、自分の目的以外の本に目がいってしまいなかなか本屋さんから出て行けないという経験ってあると思います。最近ではアマゾンのkindleやKoboなどの電子書籍リーダーの登場により、電子書籍を購入する方々も増えていると思いますが、まだ多くの書籍が電子書籍として発売されていないというのが現状です。特に我々海外在住組にとっては日本の本の購入はハードルが高く、Amazonで少年ジャンプを購入した場合のオーストラリア・パースまでの送料は約33ドルと割高です。

そこで、本日は海外在住者でも利用できる電子書籍代行サービスについて書きたいと思います。

電子書籍代行サービスとは

電子書籍化代行サービスとは、手持ちの書籍や雑誌を裁断し、スキャナで読み取って電子書籍化してくれるサービスです。こういったサービスを提供する業者には、書籍の裁断・解体と読み取りのための機器の利用のみを提供するものから、電子書籍化までの全ての作業を行うサービスまであります。ほとんどの業者は電子書籍化した書籍 は廃棄し、利用者の手元には電子書籍データしか残らない仕組みになっています。

電子書籍化の 作業を自分の手で行うことを自炊と呼ぶことから、代行サービスを他炊と呼ぶこともあります。また、「スキャン代行サービス」や「自炊代行サービス」と呼ばれることもあります。

電子化された書籍の使用方法

電子書籍化されたデータはパソコンまたはiPadなどのタブレットで読むことができます。電子書籍化代行サービスは、電子書籍として販売されていない書籍や雑誌もデジタルデータ化できるのが魅力です。また、1冊100円程度と手数料が安いことから、国内外共に利用者が多くなっています。Amazonなどのオンラインで購入した書籍を直接送ることで電子書籍化してくれる業者も存在するため、海外の本好きにとっては非常に魅力的なサービスだといえます。

現在、電子書籍化代行サービスは、インターネットで検索すれば100以上の業者が事業展開をしています。しかしその反面、著作権をめぐって意見が分かれているため、利用者はリスクを理解した上で自己責任で利用することをお勧めします。また、ここに書かせていただいている内容はあくまでも私個人の意見ですのでご了承ください。

著作権の問題について

まず結論から言いますと、本を代行で電子書籍にするサービスは残念ながら現在の法律では違法寄りだと思うのが私の正直な意見です。その理由は下に記した私的使用のための複製について定めた著作権法第30条において、複製物の使用者自身が複製を行うことが要件とされているからです。

第三十条 著作権の目的となつている著作物(以下この款[かん]において単に「著作物」という。) は、個人的に又は家庭内その他これに準ずる限られた範囲内において使用すること(以下「私的使用」という。)を目的とするときは、次に掲げる場合を除き、その使用する者が複製することができる。(略)

この規定によれば、複製は使用者自身が行わなければならず、私的使用であっても代行して複製することは認められないことになります。過去にDVDが出始めた頃、ビデオテープをDVDに複製するサービスを開始した業者が逮捕されました。理由は「使用者ではなく業者が複製した」からです。

このように、書籍を代行で電子書籍にするサービスは、私個人の意見では違法のように思います。

なぜ摘発されないのか?

しかし、なぜ摘発されないのか?ここが議論として非常に面白いところで私も注目してきました。

複製に当たらない可能性

それは、「電子書籍化代行サービスは複製に当たるかどうか」ということです。複製というからには、元の本は無傷でなければいけないが、大体の電子書籍化代行サービス業者の場合、スキャナに読み込むために本は裁断される上、(廃棄証明書付きで)廃棄される仕組みになっています。つまり、書籍は電子書籍化された後に処分されることから複製には当たらず、本は電子書籍に加工されたということで議論されています。日本の著作権法で「複製」という言葉に定義はなく、元の書籍が廃棄されようがされまいが「複製行為」に当たるかどうかで違法かどうかが判断されます。

著作者や出版社にとってもメリット

そして、摘発されない理由がもう1点あります。それは書籍の著作者や出版社、書店などにあまりデメリットがないことです。

書籍の作者も出版社、書店もこのサービスが登場したからといって売り上げが落ちることはなく、むしろ電子書籍で読みたいユーザーが増えれば売り上げが上がると考えられています。そして、利用者も電子書籍化を格安で代行してもらえる上、印刷業者も今まで通り本や雑誌の印刷ができるので、実際誰にも迷惑はかからないのです。

このように、実際誰にも迷惑をかけない事業内容であり、摘発されないままこの手のサービスが増えているのが現状だと思われます。

まとめ

現在、iPadのような電子タブレットの販売によって書籍の電子化は非常に需要のある分野になってきています。電子書籍化を代行する業者だけでなく、自分で書籍を電子化できる「自炊スペースレンタルサービス」なども登場しており、需要がある限り今後このようなサービスはどんどん増えていくことでしょう。

しかしその反面、著作権との関連で法律的な議論が現在でも発生していることは確かです。2011年12月ではには浅田次郎氏、大沢在昌氏、永井豪氏、林真理子氏、東野圭吾氏、弘兼憲史氏、武論尊氏といった名だたる作家・漫画家7名を原告とし、電子書籍代行サービス業者2社に対し原告作品の複製権を侵害しないよう行為の差し止めを求める訴えが東京地方裁判所に提起されました。また、今年5月には、漫画などを不正に複製して電子データを販売していた業者が逮捕されています。

我々海外在住者にとって非常に便利なサービスであることは間違いありません。私個人としては、こういった新しいサービスを摘発するのではなく、新たに規定を設けることでこういったITによる新しいサービスの発展を期待したいというのが正直な意見です。

Kei Hirata

Kei Hirata
1985年にシンガポールで生まれ、日本、オーストラリアへ渡り、専門学校卒業後、大学でITを専攻。大学在住中にオーストラリア・パースでウェブ制作やPCメンテナンスなどのIT関連の事業を開始。その後、法人化し現GITS Internationalの代表に就任。
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