> 記事 > パース紹介 雑談 > 海外で暮らすとはどういうことか、『家事』を通してわかったこと

海外で暮らすとはどういうことか、『家事』を通してわかったこと

2013.12.18.(Wed)Chieko By.Chieko
カテゴリー:パース紹介 雑談

パース在住主婦ライターのChiekoです!

当社GITSは、今週末から年末のホリデイに入ります!(・・・よね???)

というわけで私も、この記事が今年最後となるわけですが・・・

パースに来ておよそ8ヶ月。 今年最後のテーマは、私の日々の仕事『家事』。
国が違うと『家の仕事』がどう違ってくるのか。 それを通して、文化や価値観が違うということはどういうことか、私なりに感じたことを書いてみたいと思います。

そして、海外で暮らすということは、私自身にとってどんな意味があったか。。。

今回はかなーり私的な感想になりますが、お読みいただけたら幸いです。

 

  •  パースで家に住むなら必須、インスペクション

 

ここ数日、夫と二人で、家の掃除に励んでいました。。。年末の大掃除ではありません(笑)。

パースでは、インスペクション(inspection)というものがあります。

私達家族が今住んでいる家は、不動産屋さん(estate agent)を通して借りている物件なのですが、その不動産屋さんの担当者(property manager)が、家の状態を、3ヶ月に1回チェックしに来るのです!

トータル的にきちんときれいに保たれているか、というのは重要なことですが、特に担当者からあらかじめ言われたポイントというのが、

・エアコンのフィルタを水洗いする
・換気扇の口の埃をとる
・庭の雑草をとる

というところでした。 なので、そこだけは必ずインスペクションの前に手入れするようにしています。

日本人は基本的に家の中をきれいに使う習慣があると言われており、私達も今まで特に、インスペクションで苦情を言われたことはありません。

でも、インスペクションで問題が続くと、次回の賃貸契約に悪影響が及ぶこともあるようです…。

また、(たぶん賃貸でなく持家の場合かと思いますが)不動産屋さんではなく、政府がインスペクションに来る場合もあるそうです。 そこであまりきれいにしていないと、指摘(指導)されるそうですが、それでも改善しないと、政府の指示で勝手に清掃が入り、後で高額の清掃代が請求されるのだとか・・・

↑という話を、d.o.aオーストラリアの『スワンバレー満喫ツアー』に参加した時に、ガイドのFujitaさんが教えてくださいました。

・・・そして、昨日は、我が家のインスペクションの日だったのです!

そんなわけで、先週末を中心に、我が家ではあちこちを大掃除しました。 エアコンフィルタ、換気口をはじめ、水回り、家具のホコリとり。 家の外回りも、雑草を抜いて、掃き掃除して。。。

昨日も、朝から息子に「散らかさないで!」と言いつつ、お掃除お掃除。

そしてインスペクションは・・・無事に終わりました!

これで、安心してホリデイに入れるー!

面倒くさいインスペクションですが、悪いことばかりではありません。

逆に、家のことで何か不具合があったり壊れている箇所について、物件の担当者に見てもらえる機会でもあります。 私達の物件は古いので、どうしても壊れてしまうものがあるのです。
前回も、水道の蛇口が閉まらず、水が止まらなくなってしまったので、インスペクションの際に担当者に見てもらい、後日修繕を手配してもらいました。
今回も、天井に備え付けのファンが古くてガタガタしていることや、冷蔵庫の冷えが急に悪くなったことを、担当者に伝え、実際に見てもらうことができました。

家で何か不具合が起きた場合は、物件の担当者に相談することになるので、インスペクションを通じてお互いの顔を見てコミュニケーションを取っておくのも、よい機会だととらえています。

そして、これにより、パースには『ゴミ屋敷』は存在しないのだろうなぁ・・・と。

パースが「世界一美しい街」と言われる(?)のも、こうした具体的な規則があるからなのですね?!
このインスペクションという決まりは、私がパースに来て、驚いたことの一つです。

house
  • ところかわれば家事かわる・・・

そもそもこちらでは、掃除なんて、そうしょっちゅうしないものかもしれないなぁ、、、と、思います。
私は日中家にいることが多いですが、近所から掃除機をかける音は、めったに聞こえてきません。
基本的に土足で家に入る文化だから、床の汚れとか、家の中に土や砂があることなんて、あまり気にならないのだろうと思います。
だから、インスペクションのような機会があることで、定期的に家をキレイにするのでしょう。

日本では、風の強い日に家の中に砂が吹き込めば、汚れたと感じるし、多くの主婦は、床を拭き掃除するでしょう。 家族がそこで座ったり、寝そべったり、布団を敷いたりするのだから。
私自身、やはり床の汚れというのは気になるもので、子どもが食べ物のくずをこぼしたり、髪の毛やほこりが溜まっていると、自然に「掃除しなければ」と感じます。居心地が悪く感じるのです。

でもたぶん、こちらの人には、そういう感覚はあまりないんだろうな、なんて思うようになりました。

そのかわり、家の周りに芝が美しく敷き詰められていたり、庭に季節ごとに花を植え替えたりすることが、こちらの人にとっては「家をキレイにする」ということなのかもしれない、と感じます。

 

また、私はあるオーストラリア人の人に、「こっちの人達は、洗濯は週に1度しかしない」と言われたことがあります。 「なぜならば、オーストラリアは水が少ない国だから。洗濯機にいっぱいになるまで洗濯物がたまったら、まとめて洗う。ちょっとずつ洗うのは水の無駄遣いだから。」と。

オーストラリアでは水が貴重だ、というのは知っていましたが、家事の仕方にまで影響を及ぼすものだと思いませんでした。
日本では、天気の良い日は洗濯するのが当たり前、じゃないですか?
日本では、汚れ物をためておくなんて、ずぼらな主婦だ、とマイナス評価をされてしまうでしょう。

パースでは、掃除用の使い捨ての布巾(不織布でできた、日本のフードコードのテーブルふきんによく使われるような布)が大量に売っています。 こちらでは、雑巾を何度も洗って使う、なんてことはしないんだろうなぁと思います。 雑巾を洗う水がもったいないから。

日本では、布きれ1枚でも大切に使う、紙や布を使い捨てにしないで、洗って繰り返し使う、それが『物を大切にする』ことだ、それが美徳だ、と教えられてきました。 だから、今までの私自身の家事のやり方も、そうでした。

でもオーストラリアでは違う。水をできるだけ使わないことが、最も優先度が高いんだろうなぁ、と思いました。

極端な言い方をすれば、水をじゃぶじゃぶ使って苦労して物をピカピカに洗ったって、こちらではあまり価値のないことなのかもしれません。。。

オーストラリアでは、使い終わった食器を洗う時、洗剤液につけて、汚れを落とした後、水気を取って乾かすだけ、と聞いたことがあります。 すすがないの???とびっくりしましたが、これも、水を余分に使わないためなのかも。
でもさすがに、健康面で大丈夫なのか?と心配になってしまいますが。。。

ここに書いたことは、生活の中のほんの一例で、こまごまとしたことすべてがこんな調子で違うのです。

 

『国が違えば文化や価値観も違う』ということは、誰もが当たり前に認めることでしょう。 私自身も、ずっとそう思っていました。

でも、実際に私は初めて海外生活を経験し、それがどういうことなのか、やっと少し肌で感じた気がしています。 それは生活の本当に小さなことすら、「当たり前」だったことがひっくり返ってしまう、ということなんですよね。

私が今まで生きてきて、当たり前にやってきたこと。

その一つ一つを、今私は初めて、「疑う」ことになったわけです。

 
  • 海外で暮らしてみて、わかったのは自分自身のことだった

こうして、日本と違う生活習慣の国で暮らしてみて、強く思ったことがあります。

自分の日々の行動や選択というものは、頭で考えている以上に、自分が積み重ねてきた習慣や自分が育った社会の価値観に支配されているものなのだな、ということです。
それは、思考・思想だけでなく、「何を美しいと感じるか?」「何を心地よいと感じるか?」とか、「物事の中で何が気になるか」、みたいな、無意識に自分がしている日常の選択―――些細なことすべてに影響しているのだな、と思ったのです。

つまり、自分が今考えていること、当たり前に感じていることも、すべて、それは日本という国で培われた価値観の一つに過ぎないんだな、と思ったのです。

これは、日本にいながら気づく(実感として)のは、なかなか難しかったことだと思います。

当たり前だと思っていたことが、覆されていく。
それは、今まで自分が懸命に築き上げてきたものが、実は違う価値観の尺度で見れば、まったく価値のないものかもしれない、ということかもしれません。それはある意味ショックなことです。

オーストラリア流の主婦業の方が、ラクなんだからそれでいいじゃん!?

と思う反面、

今まで、一生懸命家族のために日々取り組んできた、あの日本の主婦業とはなんだったのだろう?

と、今までの積み重ねが一気にちゃぶ台返しにあったような気持ちにもなりました。
過去の積み重ねの結果である、今の自分。。。その自分に対する自信や信頼が揺らぐ、そんな気持ち。

そんなことを考え始めると、私という人間に、今、何が残っているのだろうか?と自信を失い、不安になりました。 そんな時は、日本のことが恋しくなり、いろんなことを懐かしく思い出しました。

積み重ねが大きくなればなるほど、過去の自分を疑うということは難しくなるものです。
若ければ若いほど、こんな葛藤も軽々と乗り越えられ、自分の世界を広げていくことができるでしょう。
あーもっと若い時に海外生活を経験していればよかったなぁ~、と、こちらに来てから何度思ったか!

でも同時に、私は40歳になりましたが、この歳で海外生活を経験でき、自分の人生や自分自身という存在を見直す機会を得られたことを、大変ありがたく思っています。
自分がどうしてそういう考え方をするのか。どうしてそれに価値があると思うのか。
そういう疑問に気づけたことは、私にとって大きいです。
今まで自分が生きてきた社会の価値観に自分をあてはめてきたけど、もっと物事を自由に考えていいんだ、もっと人は幸せになっていいんだ――――まだまだ自分の器を広げるには苦しい過程が続くと思いますが、この年齢でそれを知ることができ、今までと違った価値観の中で生きるチャンスを与えられたことに感謝したい気持ちです。

house2

 

子育てをする中で、今の日本という国のあり方・政治や教育というものに関心を持たざるを得ませんが、特に近年は考えることが多くありました。
特に、日本がこれからどうなっていくのか、本当に子ども達にとってよい未来を残せるのか、それを考えるといつも心苦しく、でも自分が何ができるのか、ずっとわからずにいます。
でも、日本から遠く離れてみて、自分が当たり前に日本人として持っていた感覚が、当たり前でないことに気づきました。 そうして今の自分に疑問を持つこと・・・そういうことが、日本人として今、必要なのかもしれないな、なんて思います。

まだまだパース生活初級。家族と支え合い、周りの人達の親切に助けられて、なんとか日々を送っています。
そんな調子ですが、来年も自分なりに興味深いと思ったことを、引き続きブログで紹介していけたらと思っています。
パースという土地が、ブログを読んでくださる皆さんにとって、より身近に感じられますように。 そして海外で暮らすということがどういうことか、、、少しでも興味ある方々に、その一端をお伝えできたら幸いです。

パースで私達を支えてくださる皆さん、日本から私達を支えてくださる皆さん、そしてGITS。ありがとうございます。

来年もよろしくおねがいします!

 

 

Chieko

Chieko
パース在住主婦ライター。13歳の女の子と5歳の男の子の2児の母。 2013年4月よりパース在住。西オーストラリアの食とファミリーライフをテーマとしたブログ「パースで手作りざんまい」執筆中。西オーストラリアの食材を使った家庭料理研究家。趣味はDIY,ガーデニング,音楽など。
  • facebook
  • twitter